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【源氏物語ゆかりの風景】 巻12 『須磨の巻』  須磨

◆ 1週間のご無沙汰でした。春の京都・兵庫を訪ねておりました。 ◆ 
              ★… 【  源氏物語ゆかりの風景 】  巻12  『須磨』  須磨 …★     
                           撮影は H19,4,11 須磨にて 
【ゆかりの現光寺‐(源光寺)】
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★『須磨の巻』は・・・政情激変。須磨へ退去。光源氏、初めて味わう挫折感の巻です。
自ら招いたあやまちで源氏は右大臣の陰謀から逃れ、その一生でもっともわびしい須磨での生活を始めることになりました。
源氏の須磨退去は朧月夜との密会が原因ですが、彼女は正式な帝の妃ではございませんので、罪にはならないはずですが、右大臣側から無実の謀反の罪に陥れられるのをおそれて自ら須磨の地に退去したのですが・・・。
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自ら選んだ道とはいえ、日ごと侘びししさがつのり、それを紛ららわすように京にいる女君たちと歌の文通を繰り返しながら精進の日々をすごします。都では、月日がたつにつれ帝をはじめ人々が源氏を惜しみ懐かしく思い出しますが、弘徽殿大后の意向をはばかって都からの便りも途絶え須磨の冬がやるせなく過ぎていきます。
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『須磨の巻』は逝く春と離別の物語です。
出立の前に上から下まで全ての女房を西の対へ呼び「長生きが出来て、又、京へ帰る日が来るかもしれないが、私の所にいたいと思う人は西の対で勤めていてください」と言って、女の生活に必要な絹布類を豊富に分けて与え、華美な物や何年間かに必要な実用的な物も多くそろえて贈り、糺の神…加茂の社を遥拝(ようはい)してお暇乞(いとまご)いを神にして出かけていくのでした。
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巻末は荒れ狂う風雨や奇怪な夢は新たな局面を予想させます。

電車のホームから須磨の海が眺められる。穏やかな風景に平安の時代に思いをはせて・・・。
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【このお寺に須磨の関跡の碑がありました。】
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関…海はすこし遠けれど関吹き越ゆると言ひけむ……行平中納言。
須磨の関も越えるほどの秋の波が立つと行平(ゆきひら)が歌った波の音。
光孝天皇の怒りに触れ在原業平の兄で平安初期の歌人である中納言在原行平がこの地に流された所でもあります。在原行平にとっても光源氏にとっても配流の地であった。そういう意味で当時の都人の眼には、わびしさがつきまとう地として映っていたようでございます。
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境内にひっそりと咲く『椿』が目にとまりました。
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ヤブ椿の古典種「卜伴の月光 」だと思いますが・・・。気品があり、なんと愛らしい花姿でしょう。源光寺で出会ったからでしょうか?
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京を離れこの椿に紫の上への思いを重ねて眺めていたような感じさえして参りました。
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by hime-teru | 2007-04-11 23:37 | Trackback | Comments(0)