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【源氏物語巻名の花】 巻7  紅葉賀(もみじのが)③  紅葉

          ★… 【 源氏物語巻名の花 】 巻7 ・ 紅葉賀③ (もみじのが)  紅葉・もみじ …★
             〓 『紅葉』 物語の文中…巻10 【賢木・さかき】(榊とも) 〓
                  撮影はH18,11,21 京都・大徳寺にて 
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◆『賢木』の巻は桐壷院が崩御され、藤壷中宮に再び迫ってはみたものの、激しく拒絶された光源氏は雲林院に参籠します。原文に『つれづれに思さるれば、秋の野も見たまひがてら、雲林院に詣でたまへり』←(意)気持ちを紛らそうとして、ついでに秋の花野もながめがてらに雲林院へ行った。雲林院は母桐壷更衣の兄弟が律師として修業をしていました。
光源氏は救済を求めて雲林院に赴く。物語は光源氏の苦悩を癒す存在として肉親である律師を登場させています。
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※雲林院は「紫野院」と呼ばれていたそうです。現在の大徳寺一帯です。
淳和天皇の離宮(塔所‐たっしょ‐墓所)淳和・仁明というふうに天皇家に譲り渡されていき、その過程で、最初は天皇の離宮、休み所(別荘)今でこそ小さなお寺ですが天皇家の離宮、その次に天台宗の寺院、その後に禅宗の臨済宗に変わっていきました。
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※大鏡によれば平安時代に雲林院と聞けば、誰でも知っている有名な大きなお寺だったようです。「敷地の一辺が、300㍍、、釣殿や池がある大きな屋敷が建ってた。京都では今でも雲林院町と言う町名で呼ばれている。
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※大徳寺は山号を竜宝山と言い開山は大燈国師・宗峰妙超で14世紀初頭に赤松氏の帰依を受けて柴野・雲林院(うりんいん)の跡地に庵を建立した事に始まる。鎌倉時代末期の1324年(正中1)に雲林院の一部を賜わって宗峰妙超を開山として開創。
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雲林院は僧正遍昭や紫式部、また西行法師などにも所縁が深い。
謡曲『雲林院』の舞台は、京都・大徳寺の塔頭である臨済宗の寺となって今に残っています。
雲林院に関したものは一切ないようですが、平安時代の源氏物語とか大鏡などからの推測で、現在の雲林院は、大徳寺の塔頭(たっちゅう)として江戸時代に再興されたものだそうです。
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※☆ 巻10 【賢木・さかき】 (榊とも)の文中より …☆
◆この巻では2つの大きな山場があり、藤壷の出家、密会の露見と物語は波乱含みながら、大きく展開していきます。
【源氏22~23歳・秋、雲林院に参籠】
①☆文中…紅葉やうやう色づきわたりて、秋の野のいとなまめきたるなど見給て、ふるさとも忘れぬべくおぼさる。
 ※意)紅葉がだんだん一面に色づいてきて、秋の野がとても優美な様子などを御覧になって、邸のことなども忘れてしまいそうに思われなさる。
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②☆文中…明け方の月影に、ほうしばらの閼伽たてまつるとて、からからと鳴らしつつ、菊の花、濃き薄き紅葉など、おり散らしたるもはかなげなれど、この方の営みは、この世もつれつれならず、後の世はた頼もしげなり。
 ※意)朝に近い月光のもとで法師たちが閼伽棚にお供え申そうとして、からからと鳴らしながら、菊の花、濃い薄い紅葉など、折って散らしてあるのも、些細なことのようだが・・・・。
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【源氏、二条院に帰邸】
③☆文中…山づとに持たせ給へりし紅葉、御前のに御覧じくらぶれば、ことに染めましける露の心も見過ぐしがたう、おぼつかなさも人わるきまでおぼえ給へば、たた大方にて宮にまいらせ給。
 ※意)山の土産にお持たせになった紅葉(、山から折って帰った紅葉(もみじ)は庭のに比べるとすぐれて紅(あか)くきれい)お庭先のと比べて御覧になると、格別に一段と染めてあった露の心やりも、そのままにはできにくく、久しいご無沙汰も体裁悪いまで思われなさるので、ただ普通の贈り物として、宮に差し上げなさる。
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④☆文中…紅葉は、ひとり見侍に、錦くらう思たまふればなむ。折よくて御覧ぜさせたまへ。
 ※意)紅葉は、独りで見ていますと、せっかくの美しさも残念に思われましたので。よい折に御覧下さいませ」
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◎『古今集』僧正遍照の歌。
雲林院の木のかげにたたずみてよみける、わび人の
              わきて立ち寄る木のもとは頼むかげなく紅葉散りけり。
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by hime-teru | 2006-12-25 00:15 | 源氏物語(巻1~巻10) | Trackback | Comments(0)