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【源氏物語巻名の花】 巻9  『葵の巻』  双葉葵・フタバアオイ

    ★… 【源氏物語巻名の花】巻9『葵の巻』双葉葵・フタバアオイ …★
              撮影はH18 ,4,18 我が家にて  
【双葉葵】フタバアオイ
ウマノスズクサ科の多年草。根茎は節間が長く伸び地上をはう。葉は二枚、茎の先に対生状につく。冬は落葉する。4~5月淡紅紫色の花を1個横向きにつける。花被は筒状となるが合着はせず,基部まで裂け目が入っている。上半分は3裂して反曲する。山地の樹陰に生え本州から九州に分布する。
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双葉葵の名は葉が二枚つくことに由来する。
昔から京都の賀茂祭の祭礼に使われた為、賀茂葵(かもあおい)、かざしぐさ、日陰草、二葉草、両葉草(もろはぐさ)とも呼ばれる。         
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※ 源氏物語に植物に因んだ巻名が特に多いのは光源氏が一時都を離れる25歳までの青春時代の一帖から十帖の間である。
列挙すると、桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花、紅葉賀、花宴、葵、賢木で、そのうち植物がらみではないのは、わずか三帖の空蝉だけである。そして桐壺、夕顔、若紫、末摘花、葵などは植物にゆかりの名を持つ人物からとられている。

葵の上は光源氏の正妻、紫式部はなぜ源氏の正室にという特殊な名を与えたのでしょうか?
賀茂祭にフタバアオイが挿頭しに使われる。それが『源氏物語』で名高い”葵祭りの車争い”近代心理小説のような複雑な場面で効果的に取り上げられ題名になり、物語の展開を進めていくうえでヒロインの境遇が賀茂の神が恨めしい事として葵を賀茂の祭りに結びつけていったのではと思います。
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「花宴」と「葵」の巻の間に2年近い空白があります。

この間に桐壷帝が譲位し朱雀帝が即位します。これによって物語はひとつの転機を迎えます。源氏の正妻は「葵の上」左大臣の娘で身分では最高の女性です。 「上」 というのは、よほど身分の高い人でないと敬称はつけません。この葵の上に対し第二の妻というべき存在が「六条御息所」です。先の皇太子のお后だった人で葵の上に匹敵する身分の高い女性です。

4月、賀茂神社の葵祭りが行われ源氏がその行列に加わるというので懐妊中の葵の上は女房たちにせがまれて見物にでかけます。一方、御息所も源氏の姿をひと目見ておこうと人目を避けて網代車で出掛けました。一条大路の雑踏の中で遅れてやってきた葵の上の一行は権勢をたのんで他の車を強引に押しのけさせます。その中に御息所の車があったのです。衆人注目のなかでうけたこの辱めに御息所は悔し涙にかきくれます。

これが名高い「葵祭りの車争い」の場面です。その後、御息所の生き霊が葵上に取り付き葵上が病で亡くなる場面を頂点にしている。
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また、徳川家の家紋「葵巴」は本種の葉を三枚組み合わせたものである。
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by hime-teru | 2006-05-19 11:43 | 源氏物語(巻1~巻10) | Trackback | Comments(0)