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モミ(樅) 

マツ科の常緑大高木,日本の特産種で岩手県より南の本州と四国九州の山地または低山に育つ。幹の高さ30~50mに達し直立、枝は太くほぼ水平に出る。葉は線形で枝に羽状に並ぶ。雌雄同株。6月頃開花。古名はモムノキ、オミノキといい近年庭園でも良く見かける。材は建築、船材、機械材および製紙パルプの原料として利用されている。

★古代のゲルマン民族はヨーロッパモミの老樹を神聖視し冬季にはその枝を天井から吊(つ)るしたり部屋の中に挿した。8世紀キリスト教の布教に赴いた聖ボニファティウスはそれを切り倒して改宗を説いたが、常緑の樹木崇拝は★クリスマス・ツリー★の形でキリスト教行事のなかに受け継がれたようです。昨日アップの銀座のソニービルのクリスマス・ツリーもモミの木です。

日本では平安時代初期の『倭名類聚鈔』に記録されモムノキをモミの名で呼ばれるようになってきた。御柱祭(おんばしらまつり) 長野県諏訪大社の上社(かみしゃ)と下社(しもしゃ)で春に行われる諏訪大社の6年毎の「御柱祭」では御柱として立てるのはこの樅の木。寅年と申(さる)年に樅の木の大木を山から切り出して 藤の蔓を使って引っ張り各社殿の四隅に御柱として立てる勇壮なお祭りはテレビで放映される。
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             撮影は我が家の植木鉢(盆栽にしています)
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 ◆余談(私の愛読書)
「樅ノ木は残った」山本周五郎の長編小説。1954年(昭和29)日本経済新聞に連載、後半は書き下ろしで58年完稿。周五郎の決定打的作品の一編となった。
作品の背景は寛文(かんぶん)事件の伊達(だて)騒動、紛争の渦中の人となった国家老原田甲斐(かい)の苦衷と忠誠とを描き歴史小説の最高の果実として絶賛を浴びた。既往の原田甲斐悪人説への勇敢な挑戦、「史料を忠実に読みさえすれば自然に浮かび上がってくるはず」と周五郎氏。今でも私の本箱に。夢中で読んだ日々が思い出される。
by hime-teru | 2005-12-26 15:48 | 【ま】行の花 | Trackback | Comments(0)