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【初雪・雪の華】

                      ★… 【 初雪・雪の華 】 …★
                          2010.02.03撮影
寒風に舞って地に落ちて重なりあう淡い初雪、暖冬が続いて雪が積もるということが少ない関東、雪国生まれの私の子どもの頃、朝起きて白い景色を見る時は、いつも心が躍りました。昨夜からの雪は雪の華となって輝いた朝を迎えましたが、淡雪は儚く夕方には跡形もなく・・・。2年前の初雪は2月3日、今年は2日、記録だけでも写真にと思い我が家の花壇を撮めてみました。
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初雪は 雪の花・雪の華とも呼ばれた時代、文学の世界では「雪消(ゆきげ)」「雪気(ゆきげ)」「雪間の草」とも、日本文化の中心であった奈良や京都で雪は純白ではかない優雅なもので、月や花とともに風流の代表ととらえられておりました。『万葉集』『枕草子』『源氏物語』その他の多くの文学作品にも雪は風流の代表として頻繁に登場しています。
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しかし、数か月も深い雪に閉ざされる雪国の生活においての雪は生命や生活をおびやかし脅威でありました。昭和38年、豪雪の生活を体験した私は、雪の怖さを充分知りながらも、初雪の心躍る嬉しさは変わることなし。儚いものへの愛しさと仄かな憧れ、雪の精には秘められた優しい心があるからでしょうか?
『道路にはうっすら? 新聞配達のバイクの轍がかすかに』
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『源氏物語』には、雪の場面が二箇所程あったような?雪がしんしんと降っており、雪を着た「松と竹とのけぢめをかしう見ゆる夕暮に」光源氏が花や紅葉の盛りのときに人の心は動くけれども「冬の夜の澄める月に雪の光りあひたる空こそ、あやしう、色なきものの身にしみてと」現世以外のことに思いを馳せると語る場面。御簾をあげさせて外を見ると、月光に「ひとつ色に見えわたされたるに」白だけの色しかない庭の光景をながめる。くだりは年に一・二度の雪景色。童女を庭におろさせて雪まろばし(雪ころがし)をさせ、雪山を造らせる。光源氏は真っ白な景色を眼のあたりにしながら、紫の上にこれまでに出会った女性たちのことを語る印象的な場面。
そして、「薄雲」では、嵐山に住まう明石の上、光源氏が訪れたときに「汀の氷など見やりて、白き衣どものなよよかなるあまた着て」・・・とあって、雪や氷を表わすような襲の衣裳を着ているように描写。

降りつもる雪や池の水面に張った氷は白く透明で、すべての色を吸いつけるようで、月の光や、そして朝のうすい陽に磨かれるように・・・・枕草子より。
Commented by nageire-fushe at 2010-02-06 16:10
雪もまた花なのかもしれませんね~~~
白く積もった雪は、まるで満開の白梅のような
そんな気さえさせてくれます。
Commented by hime-teru at 2010-02-07 00:18
いつも、詩的なコメントありがとう御座います。
このところ私用に追われて、更新も滞りがちです。写真は撮りためてあるのですが・・・。いつも心にかけて頂き嬉しく思います。
by hime-teru | 2010-02-02 23:36 | 時事日記コーナー | Trackback | Comments(2)