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【源氏物語巻名の花】 巻31  『槇柱・真木柱(まきばしら)』 槇・まき

                 ★… 【 源氏物語巻名の花 】 巻31  『槇柱・真木柱』  槇・まき  …★
経籍 源氏物語目録 には「槇柱」、篆刻素材 源氏香印でもまきばしらのまきを「槇柱」と漢字で書かれています。
この巻は髭黒大将の長女、真木柱の章です。愛する父が玉蔓に夢中になり、真木柱は家を去るのが悲しく悲しみの歌を残すのでした。
文中) 「今はとて宿かれぬとも馴れきつる槇の柱はわれを忘るな」  槇柱
意)これを限りとこの家を去るけれど慣れ親しんできた真木の柱は私を忘れないで!!と。
柱の隙間に和歌を残すのでした。この和歌を見てさすがに髭黒も涙を流しますが・・・・。
この和歌が姫君の呼称となり巻名になっています。
【源氏物語巻名の花】 巻31  『槇柱・真木柱(まきばしら)』                   槇・まき_e0039703_23165064.jpg

◆ 【槇】
ヒノキやスギで造った柱をまけばしら。(純粋な木の意)スギの古名。イヌマキ・ラカンマキ・コウヤマキなどの汎称。又建築材料の最上の木の意で多くはヒノキの美称。マキ科の常緑高木。房総半島以南、四国、九州、沖縄の太平洋側の暖地の山地に自生している。樹皮は灰白色で縦に裂け薄片となり脱落する。葉は線形ないし披針形。先端が鈍くとがり厚質で上面は濃緑色、下面は淡緑色、中央の太い主脈が隆起する。雌雄異株。春に小枝の側方に短柄のある黄白色で円柱形の雄花穂を3~5本ずつ腋生する。雌花は葉腋に単生し緑色の果托が目立つ。種子は球形で熟しても緑色。材は建築、器具、下駄の材料になる。千葉県の県木。生垣に多く用いられている本種より葉が短く密生するラカンマキは本種の園芸品種である。    ↓我が家の槇もラカン槇だと思うが。
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落ちた槇の実↓
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簡単に物語
”まきばしら”が初めて登場した時は、12、13歳の少女だった。父、髭黒の妻(北の方)は、式部卿宮の長女で、紫の上とは異母姉にあたります。美しい人ですが、近年物の怪に煩い(心の病)病み疲れて事件を起こします。夫婦仲は修復不可能になり、髭黒大将が玉鬘を手中にします。愛する父が玉蔓に夢中になり結婚。家庭崩壊を経験した彼女は成人後、蛍宮の正妻となるが悲しいことに、こちらも夫婦仲は睦まじくなかったようです。しかし、蛍宮亡きあとは、紅梅大納言の正妻となり、つらかった少女時代の経験から、自分の子供もよその子供も分け隔てなく愛するやさしい女性に賢婦人になっていきます。
【源氏物語巻名の花】 巻31  『槇柱・真木柱(まきばしら)』                   槇・まき_e0039703_23343053.jpg

『 参考 』
紅梅大納言(こうばいだいなごん)は、源氏のライバル、頭中将と正妻の右大臣家の四の君の次男。弘徽殿女御、柏木の弟。才気活発、秀でた才能の持ち主で、特に音楽方面がすぐれ、際立った美声の持ち主で、歌と笛の名手。のちに、藤原家を代表する人物になる。父と同じく名前が激しく変わる。最初は弁少将(べんのしょうしょう)で登場するが、後に按察大納言(あぜちのだいなごん)もしくは、紅梅大納言と呼ばれる。

この結婚(髭黒大将と玉鬘)の前後の情景描写は一切記載がありませんのです。玉鬘が一番嫌がっていた男なのに。「えっ」なんで!どうして!飛躍する経緯や、肝心なシーンの描写がぬけているのです。このようなところが数多あり源氏物語の難解を感じます。私など理解に苦しみます。それから・・・按察大納言のように登場人物名が巻名によっては、呼び方が変わるので同一人物だと理解するのにページを行ったり来たり何回も読み直していますが、未だにかみ合わない人物が出てきて、いつも頭を抱え立ち往生しています( ̄0 ̄;)。
【源氏物語巻名の花】 巻31  『槇柱・真木柱(まきばしら)』                   槇・まき_e0039703_23452911.jpg

京都の善峯寺に悠仁(ひさひと)親王様のお印「高野槇」ある日突然脚光を浴びましたね。
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Commented by nageire-fushe at 2008-02-03 11:43
槙といえば深山を思い出します。
そして高野山を思い出します。
Commented by hime-teru at 2008-02-04 00:26
私はまだ高野山に行ったことがないのです。今年こそはと思っています。ラカンマキを購入したとき高野槇ははまだ出回っていなくて、葉も細く姿形も綺麗な高野槇を庭に植えたいのですが・・・。今では場所がなくなって・・・。窮屈な思いをさせたくありませんものね。
by hime-teru | 2008-01-30 23:49 | 源氏物語(巻31~巻40) | Trackback | Comments(2)