ブログトップ | ログイン

【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草

          ★… 【 源氏物語文中の花 】 巻53  『手習の巻』  芥子(1)花菱草 …★
                 撮影はH19年5月撮影、足利フラワーパークにて
ケシの名は「芥子(かいし)」から由来したが、中国の本来の芥子はカラシナの種子である。日本には平安時代にもたらされ、ケシの種子を焚(た)いてその香りを衣服に移したことや加持祈祷で護摩を焚いたことなど『源氏物語』に載る。江戸時代には観賞以外に若葉を野菜として、また種子を炒(い)って食用にしたようです。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0141367.jpg

手習の巻
比叡山の横川というところに、大変徳の高い僧都の母が妹の尼と初瀬詣でをした帰途、正気もなく泣いている若い女を見つけ娘の身代わりとして長谷観音から授かったものに違いないと、手厚く看護して小野の里に連れ帰ります。この女こそ宇治で失踪した浮舟なのですが・・。
この巻に僧都が加持祈祷する場面に「芥子」の名が出てまいります。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0145875.jpg

写真は栽培が禁止の芥子のアップは出来ませんが、近縁の芥子科の可愛らしい花の撮影がありますのでここで花菱草・雛罌粟を分けてアップしていきます。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0154036.jpg

文中)夢語りもし出でて、初めより祈らせし阿闍梨にも、忍びやかに 芥子焼くことせさせたまふ。
)初瀬で見た夢の話もし出しては、最初から祈祷させた阿闍梨にも、こっそりと芥子を焼くことをおさせになる。

長谷寺で見た夢の話。妹尼がなぜこんなに大切に世話をするのか理由が人々に明かされる。芥子焼くこと←「密教の修法で護摩を焚くこと。その火で一切の悪業を焼き滅ぼすという」と注す。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0163059.jpg

ケシは大麻が取れる麻と共に麻薬取締法によって栽培が禁止されている。(毒性のない物は除いて)密教(真言宗)ではケシが人間の神経を麻痺させる効力があることを利用して護摩を焚くさいに用いたことが文章から理解される。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_017962.jpg

花菱草・ハナビシソウ
カリフォルニア原産のケシ科の植物。英名はカリフォルニア・ポピー。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0253162.jpg

カリフォルニア州の州花。葉っぱはこまかく切れ込む。春から初夏の頃、黄色またはだいだい色ピンクなどの大型のきれいな4弁花が咲く。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0173722.jpg

花びらはめくれ上がることが多く 日に当たるとひらき陰ると閉じてしまう。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_018374.jpg

【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0182625.jpg

和名は、花の形が花菱紋(4枚の花弁を 菱形にした紋所)に似ているところから名付けられました。
【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_019285.jpg

【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0194816.jpg

【 源氏物語文中の花 】  巻53  『手習の巻』  芥子(1)ー花菱草  _e0039703_0202773.jpg

by hime-teru | 2007-11-23 00:30 | 源氏物語(巻51~巻54) | Trackback | Comments(0)