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【南天】 ナンテン

メギ科の常緑低木。茎は叢生する。6月ころ多数の白い花が咲く。果実は球形で赤い。果実の白い品種はシロミナンテン。中国では野生化しているが日本産のものは野生か栽培の逸出したものかはっきりしない。
ナンテンは鎌倉時代から記録され藤原定家は1230年寛喜2年、中宮権大夫が前栽にナンテンを植えると『明月記』に書き留め、足利義満が建てた金閣寺の夕佳亭にはナンテンの床柱が使われている。
いけ花では最古の花道書『仙伝抄』にすでに取り上げられている。元禄のころに普及し園芸品種が作出され始め斑入(ふい)りを中心に41品種と多かった。明治年間には120品種に増えたがその後衰退し現在は40品種ほどが維持されている。
ナンテンは難転に通じるとして縁起植物に扱われ盗人、火災、魔除(よ)けにと今日でも植えられている。京都鞍馬寺の祭事、竹伐(たけきり)会式や火祭りにはナンテンの小枝を身につけて行われる。
ナンテン果実にドメステチンメチルエステル、樹皮にナンジニン、ドメステンベルベリンなどの成分あり、防虫、防腐の効果があり、葉を食物の掻敷に使い古くは米櫃や鎧櫃(よろいびつ)などに入れた。なお、「ナンテンの床柱」といわれているものは普通イイギだそうです。
漢名の「南天燭」を略して「南天」 鳥が食べない限り冬中見ることができるが不思議と赤い実は何故か鳥が大好物のようです。鳥から見たら何色に見えるのでしょうか?
実を乾燥させたものは「せき」止めに。最近はナンテン入りの「のど飴」が売られています。葉には「ナンジニン」という成分を含み殺菌効果がある。
・福寿草の花と南天の実とセットで「難を転じて福となす」という縁起物の 飾り付けがされることがある。特にお正月に多く 無病息災を願う。我が家の福寿草はまだ堅いつぼみです。咲きましたらナンテンと一緒に写真アップしたいと思っています。
【南天】 ナンテン_e0039703_2258367.jpg

「南天の箸(はし)」というのもある。また防火・厄除けとして門前や戸口、庭先や鬼門にも植えられて、庭木や生け花でなじみがあり可愛らしい赤い実や紅葉が楽しめる植物です。 我が家の南天は白南天で今年は実がなりませんでした。撮影は昨年の12月近所のお寺です。
by hime-teru | 2006-01-09 23:01 | 【な】行の花 | Trackback | Comments(0)