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若紫の巻 (1)  桜 (さくら)

                            ★… 【若紫の巻】 (1)  桜 (さくら) …★

源氏18才。恋の冒険は「病」の治療からはじまります。
源氏は「わらは病」というマラリアのような病気に悩まされ、この病気治療で北山の名高い修行者のもとにおもむきます。治療の合間に山中を散策していると偶然に思いを寄せる藤壷の宮にそっくりな少女を垣間見ます。少女の祖母の尼君が死に父の兵部卿宮が少女を引き取ろうとしますが源氏はその直前に先回りして少女をさらってきてしまいます。少女は新しい二条院での生活に無邪気に溶け込んでいきます。『若紫』 のちの「紫の上」の誕生です。
藤壷の宮の兄「兵部卿宮」の姫君。つまり藤壷の姪。恋しい藤壷によく似ているため源氏の目にとまり運命的出会いとなる巻です。源氏物語に”桜”を詠んだ和歌が34首もあり、この巻は大変多く7首、文中にも出て来ます。
☆宮人に行きて語らむ山桜風よりさきに来ても見るべく。源氏
(もどったら宮中の人たちに山桜の美しさを話しましょう。花を散らす風よりも
先にやって来て見るように)
……花アップのため他の和歌の意味は省略します……
☆優曇華(うどんげ)の花まちえたるここちして深山に目こそうつらね 僧都
☆奥山の松のとぼそをまれにあけて未だ見ぬの顔を見るかな。 聖
☆夕まぐれほのかにの色を見て今朝はかすみのたちぞわずらふ。 源氏
☆まことにやのあたりはたち憂きと霞むる空のけしきをも見む。 尼
☆☆面影は身をもはなれず山桜心のかぎりとめで来しかど 源氏
☆あらしふく尾上の散らぬ間を心とめけむほどのはかなさ 尼
☆我が宿のしなべての色ならば何かはさらに君を待たまし。右大臣
               【春の桜】  …(2005,4,23 醍醐寺)
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             【桜の紅葉】 …(2005,12,3 新宿御苑)
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サクラ(桜)はバラ科。樹木花が美しく観賞されるものを一般にサクラと呼ぶ。昔から日本の国花として愛好され,古くはヤマザクラ(山桜)系統のものが主であったが、今日ではソメイヨシノ(染井吉野)が圧倒的に普及している。春に開花、花は紅色または白色、日本では古来観賞用に栽培されていただけに雑多の栽培品種が多数でき,これらはその細かい系統いかんにかかわらずサトザクラ(里桜),一名イエザクラ(家桜)としてまとめられる。
栽培される種類にはヤマザクラ、オオシマザクラ、カスミザクラ、サトザクラ、ヒガンザクラ、マメザクラなどがあり,ソメイヨシノはオオシマザクラとヒガンザクラとの雑種と考えられている。
そのうち大多数は広い意味のヤマザクラ系のサクラで,特にオオシマザクラ系統の品種が多い。一重咲のソメイヨシノ、寒桜。八重咲、菊咲、二段咲があります。種子から数年で開花する幼型(ワカキノサクラ)もできている。花色も白色やや濃い桃色が多いが、緑化して黄緑色となったもの(鬱金(ウコン),御衣黄(ギョイコウ))も知られている。
サクラは古来万葉集など詩歌にうたわれ愛されてきた。ウメに代わって左近の桜が植えられたのは桓武天皇の時代といわれる。八重咲のサクラは平安時代にすでに知られていました。
江戸時代に入ってからは多数の品種が育成され今日に残っている。サクラの用途としては,材は版木、樹皮はタバコ入れなどの細工物に。また薬用として咳(セキ)止薬にもなる。八重咲の花を塩漬にし熱湯に入れて祝事に飲用。オオシマザクラは桜餅(モチ)を包むのに使う。
by hime-teru | 2005-12-06 00:17 | 源氏物語花考察(ゆかりの地) | Trackback | Comments(0)