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青森逍遥  【 恐山 】 ① 

                        ★… 青森逍遥 【 恐山 】   …★
                           撮影は H 21,6.30恐山にて
恐山は、滋賀県の比叡山と和歌山県の高野山と共に「日本三大霊山」に数えられている。
下北半島の中央部にある恐山、この霊場は地名の響きが示すように、古来より、死者の霊が集って眠る地と言われてきました。むつ市から続く登山路には、一丁ごとに里程標石が置かれ、恐山に踏み込むと静謐な妖気が漂う宇曽利湖(うそりこ)ゴツゴツした火山礫の間の噴火孔からは、間欠泉が噴きでており、小石を積み上げた賽の河原が広がる荒涼たる風景を古来人々が、ここを現世ではなく黄泉の世界とした気持ちが判るような気が致します。
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この地で祖霊が眠り、ここに来れば、この世を去った肉親の霊と巡り会い、相語らうことができる場所として、いまでも東北地方最大の庶民信仰の霊山となっているのです。毎年7月20日から5日間行われる地蔵堂(本堂)大祭には、盲目のイタコ(巫女)による口寄せ(霊媒による招霊)があり、死者と生者との交流が行われます事は有名です。
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【山街道の途中にある湧き水冷水(ひやみず)】
1杯飲めば10年、2杯飲めば20年3杯飲めば死ぬまで若返ると言われる水で、今も恐山を訪れる旅人の喉を潤している。

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【地蔵堂】
総門を入ると立派な山門が建つその奥には地蔵堂が見える。地蔵菩薩→六地蔵→縛地蔵は五濁の悪世において救済活動を行う菩薩。八大菩薩の一つ。
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【賽の河原】
親に先だって亡くなった子供が苦を受けると信じられている冥土にある河原。西院(さいいん)(斎院)の河原ともいう。ここで子供が ”一つ積んでは父のため~!二つ積んでは母のため~!”石を積んで塔をつくろうとすると、鬼がきてそれを崩し子供を責めさいなむが、やがて地蔵菩薩が現れて子供を救い守るという。このありさまは、「地蔵和讃」や「賽の河原和讃」などに詳しく説かれ、民衆に広まった。
賽の河原は、仏典のなかに典拠がなく、日本中世におこった俗信と考えられるが、その由来は、『法華経』方便品の、童子が戯れに砂で塔をつくっても功徳があると説く経文に基づくとされ、名称については、昔の葬地である京都の佐比川や大和国の狭井(さい)川から出たという説、境を意味する賽から出たという説などがある。
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恐山は戦々恐々。霊感に鈍感な人でも、この風景を見ると、背中を押される様な錯覚を覚えます。日本のあらゆる辺境地が観光化されている現実を考えれば、恐山もまたしかり、だが、それでも特別な雰囲気を感じずにいられない風景です。
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霊場といえば本来極楽の地。だが、死人が集まる地としてはこの地はいささか恐ろしすぎます。一面に灰色の火山灰の小山に、硫黄煙が所々から立ち上がる。背筋が凍る圧倒的な存在感です。ここが地獄の入り口だと錯覚する人間の心情も理解できるというものです。
恐山は今も活動しているので所々から水蒸気が吹き上がり火山特有の臭気が漂っています。極楽浜や賽の河原、血の池など、強烈な硫黄臭の漂うこの地は、地獄なのか?極楽なのか?も、定かではない幻想の世界ですが、民衆が太古より抱き続けてきた〔霊〕への恐れの心、崇高な心に対する原初の風景とも言えましょう。
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【風車】
輪廻転生(りんねてんしょう)の願いを込めた風車が無数に並びます。転生輪廻(てんしょうりんね)とも言い、死んであの世に還った霊魂(魂)が、この世に何度も生まれ変わってくることを言う。ヒンドゥー教や仏教などインド哲学・東洋思想において顕著だが、古代のエジプトやギリシャなど世界の各地に見られる。輪廻転生観が存在しないイスラム教においても、アラウィー派やドゥルーズ派等は輪廻転生の考え方を持つ。
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【温泉】
恐山には温泉が沸き出している場所があり手前にある二棟の小屋は手前側が「古滝の湯」、隣が「冷抜の湯」他に、「薬師の湯」、「花染の湯」等があるこれらを総称して恐山温泉と言う。又、総門右手に300人ほど泊まれる宿坊があり宿泊は出来るとのこと。温泉は寺に用のある宿坊のために使われていたという。
(左の建物が温泉です)今は、訪れた人は気軽に入れるのだそうです。
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 【宿坊】


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【六地蔵】
日本では平安中期以来、六地蔵の信仰が盛んになり、岩手県・中尊寺、茨城県・六地蔵寺、新潟県・光照寺、京都府・大善寺など各地に六地蔵が安置された。六地蔵は、寺院・路傍・墓地、あるいは地蔵堂に祀られた。

by hime-teru | 2009-08-05 00:04 | 旅の情景(東北編) | Trackback | Comments(0)